結構、結構。
是非とも掴んでくれ。
必ず役にたってみせる。
昨日は、脳卒中(脳血管障害)の大まかな分類をはなしたが、脳血管障害については、こんな問題も出題されている。
「機能予後」 についての問題じゃ。
「機能予後」とは、
病気が発症した後、身体の機能がどれくらい保てるか、後遺症がどれくらい残るかということ
じゃ。
いきなりじゃが、国家試験の問題をやってみよう。
問42 脳血管障害の機能予後に関係しない因子はどれか。(第41回)
1. 発症時の年齢
2. 高血圧の有無
3. 病巣の部位
4. 病巣の大きさ
5. 脳循環障害の程度
【解答・解説】
選択肢の因子のなかで、発症後の身体の機能の保持に関連しないものを選べという問題じゃな。
1.の「発症時の年齢」については、若いほど回復が早く、年齢が高くなるほど予後は悪くなる。 「発症の年齢」は、関連する因子じゃ。
3.と4.の「病巣の部位」や、「病変の大きさ」も予後に関与する。病変の部位や大きさにより症状やその程度が変わってくるので、機能予後には重要なじゃな。
5.の「脳循環障害の程度」は、当然じゃが、障害の程度が強いほど予後が悪くなる。これも重要な因子じゃ。
2.の「高血圧の有無」は、脳血管障害の発症の因子にはなるが、高血圧があるほど機能予後がわるくなるなどの関係はない。
正解 2.
また、脳出血を引き起こしたあとの機能予後についてもこんな問題が出題されている。
問43 脳出血患者のADL自立に関係する因子で適切でないのはどれか。(第42回)
1.性別
2.血腫の部位
3.血腫の大きさ
4.治療開始時期
5.うつ病の有無
【解答・解説】
「機能予後」については、前の問題で話したとおり、「発症の年齢」、「病巣の部位」と「病変の大きさ」、「脳循環障害の程度」と関連がある。
そのほか、発症から治療を早く始めたほうが発症後の自立は早く、良い。4.は〇。
また、5.の「うつ病の有無」じゃが、うつ病があると、モチベーションもあがらずADLの自立は遅くなってしまう。なので、5。も〇
1.の「性別」には関連はない。
よって、正解 1.
機能予後は、あまり馴染みのない言葉だと思うが、なんとなく常識の範囲で答えられるのではないだろうか。
さて、遅くなったか、昨日約束したとおり、TIA(一過性脳虚血発作)の話をしよう。
TIAとは、動脈硬化により狭くなった血管が一時的につまり、その先への血液が不十分になること で起こる。
意識消失なと症状が急速に出現するのじゃ。
しかし、発作は一時的で、24時間以内には、改善され、後遺症もでない。
発症した人の約1/3が、「脳血栓症」へ移行する との報告もあり、
「脳血栓症」の前触れ(前駆症状)
として非常に重要なものじゃ。

TIAは、一時的な症状だけなので、後遺症などの障害を残さないので、脳梗塞や脳出血などの「脳血管障害」とはすこし違うものなのじゃな。
図にするとこんな感じじゃろうか。
さて、それぞれの疾患で、何をどこまで覚えなければならないかというと、
国家試験で重要なことは、ある程度決まっている。
重要なことは、その疾患が、
どんな年齢に多くて(好発年齢)
どんな時に発症しやすくて(発症時期)
発症の原因はなにで(原因)
どのような経過を取るか(経過)
TIAの場合は、
中年〜老年に多く認められ、安静時、活動時などの発症時期には関連がなく、原因が動脈硬化。意識消失などの症状は、急速に起こる。
動脈硬化が原因にあるので、動脈硬化を起こす糖尿病、高脂血症、喫煙、高血圧などが危険因子になる。

なんとなくイメージはできたじゃろうか?
最終的には、この表を全部の疾患で完成させるぞ。
では、次は脳梗塞について話をしよう。
この講義が、多くの人に伝わりますように........
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