2014年06月16日

嗅いで  視る  動く  滑車の  三の  外......

久々の登場。

わらじい じゃ。





今日は、脳神経について話をしよう。

脳神経とはなんじゃったか?



かなり前の話になるの、復習をしよう。


神経の分類のところの話じゃな。

神経は、中枢神経と末梢神経に分かれる。

中枢神経は、脳と脊髄

末梢神経は、脳神経と脊髄神経


そして、神経のアリを書いた。

ブログのイラスト.jpg



つまり、脳神経とは、脳から出ている末梢神経のことなのじゃな。


脳神経は、12対ある。


そして、それぞれに名前がついている。


以前、脳神経で、副交感神経線維を含むものだけ覚えたことは覚えているか?


脳神経の12対のうち、副交感神経線維だけを含むものは、

めいどがん副交感(迷走、舌咽、動眼、顔面) といったやつ。


脳神経には、迷走神経、舌咽、動眼、顔面神経などがあるのじゃが、そのほか8対あるのじゃ。


全て書くと、

@嗅神経
A視神経
B動眼神経
C滑車神経
D三叉神経
E外転神経
F顔面神経
G内耳神経
H舌咽神経
I迷走神経
J副神経
K舌下神経



この名前は、国家試験に向けて、どうしても覚えざるを得ないと思う。

巷に、脳神経の覚え方はいろいろ出回っているので、どんな方法でもいいので覚えて欲しい。

ちなみに、わらじいは、


嗅いで  視る  動く  滑車の  三の  外  顔  聞く  咽に  迷う  副  舌

で覚えている。

脳血管.jpg


そして、それぞれの神経にどのような作用があるかも覚える必要があるのじゃ。

なぜならこんな国家試験の問題が出るからじゃ。


問61 誤っている組合せはどれか。(第39回)
1.動眼神経    眼瞼の挙上
2.顔面神経    顔面の感覚
3.三叉神経    咀 嚼
4.舌下神経    舌の運動
5.迷走神経    内臓の感覚    



脳神経とその作用を書き出すとこんな感じになる。


スライド1.JPG



これをすべて覚えなければならないのじゃ。


こんなのむりだ!との声が聞こえる。


たしかに、やみくもに覚えるのは無理じゃ。


しかし、落ち着いて見てみると 覚えるべきことは実は限られていること に気づくことができるのじゃ。

それでは、ゆっくり見ていくぞ。


まず、神経の名前からその作用が想像できるもの が 3つ ある。


嗅神経、視神経、内耳神経 じゃ。

スライド2.JPG


それぞれの作用は、

嗅神経   嗅覚
視神経   視力
内耳神経  聴覚、平衡感覚 



これらの神経は、名前と作用が、そのままなので覚えるのは簡単だろう。

これで、まず、3つの神経が覚えられる。

スライド3.JPG



そのほか、目の動きに関連する神経について覚える。


目の動きに関連する神経は、3つ。


動眼神経、滑車神経、外転神経

スライド4.JPG



それぞれ目の動きに作用しているが、


外転神経は、目を外転させるから外転神経。支配筋肉は、外側直筋。

滑車神経は、滑車を使って、目を下外側へ向けさせる。筋肉は、上斜筋じゃ。

そのほかは、動眼神経と   覚えれる良いじゃろう。

スライド6.JPG


瞼を挙げる上眼瞼挙筋、 縮瞳させる瞳孔括約筋動眼神経であることも重要じゃ。

これらをイラストにまとめるとこんな感じじゃな。

スライド7.JPG


どうじゃ、これでまた3つの神経が、覚えられるじゃろ。

スライド5.JPG


12対のうち、6つの神経を覚えられたので、あと6つ覚えればいいのじゃな。

すっきりしてきたかな。






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posted by わらじい at 23:52| Comment(0) | 末梢神経 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月10日

「神経の分類」は今日で終了!

それでは、解答・解説していこう。

排便@.jpg


問14 排便で誤っているのはどれか。(第42回)
1.直後壁が便で伸展されると便意を生じる
2.食事の摂取が結腸の嬬動運動を誘発する.
3.排便反射では外肛門括約筋が収縮する.
4.排便には横隔膜が関与する. 
5.排便中枢は仙髄にある.       


【解答・解説】 
便が直腸に降りてきて、直腸壁が拡張し、その情報が、副交感神経の骨盤内蔵神経から、排便中枢に伝わる。

そして、それが大脳皮質に届いて“便意“となるので、1.は〇


食事の後に、おなかがグルグルいって、トイレに行きたくなった経験はないだろうか。

食後に食べ物が大腸に到達すると、蠕動運動が活発になって、便が直腸に移動してくることが原因だ。 2. も〇


排便反射では、内・外肛門括約筋が弛緩する。3.はバツ1。  これが正解。


排便時に腹に力を入れると思うが、物理的には、腹筋に力を入れたり、横隔膜を移動させて、腹腔内の圧力を高めている。 4.は〇

排便中枢は、仙髄(2-4)なので、5.も〇

正解は、3.



   【排便時の横隔膜、腹筋の動き】
横隔膜の動き@.jpg
横隔膜、腹筋に力をいれ、腹腔内圧を高める。骨盤底はその力を支えて排便を促す。



問15 正しいのはどれか。(第45回)
1.排便反射の中枢は腰髄にある.
2.内肛門括約筋は陰部神経支配である.
3.外肛門括約筋は骨盤神経支配である.
4.排便時には直腸平滑筋が弛緩する.
5.排便時には内肛門括約筋が弛緩する.  


【解答・解説】 

排便中枢は、仙髄(2-4)なので、1.はバツ1

内肛門括約筋の支配は、骨盤神経、外肛門括約筋の支配は、陰部神経だから、 2. 3. はそれぞれバツ1

排便時には、内・外肛門括約筋が弛緩するので、4.はバツ1で、 5.が〇

よって、

正解は、5.

 


おめでとう。これで排便マスターだ。


さて、つぎはなんの話をするかな。


そうそう、ちょっと話が、戻るが『体制神経』の話をしよう。


復習。


『体性神経』とは、末梢神経のうち意識が関連している神経。

また、運動を司る『運動神経』と感覚を司る『感覚神経』にわかれる。

末梢神経の分類B.jpg

以前、話したとおり、“一つの名前の神経”で、運動だけの機能を持つものも、感覚だけしか持たないものも、運動、感覚、両方ともの機能を持つものもある。


そこで見せたのが、この図。

脳神経のアリ.jpg

ここで、注目しと欲しいのは、脊髄神経の体性神経のところには、混合(感覚・運動)神経しか記載されていないこと。

そう、脊髄神経の体性神経は、すべて、感覚も運動も関連している神経なのじゃ!


それに対し、脳神経は、感覚しか関連しないものや、運動しか関連しないものや、感覚も運動も関連するもの(混合神経)の3つがある。

脳神経.JPG


覚え方としては、感覚に関するものしか持たない神経は、「見る、嗅ぐ、聞く」 の神経。

視神経、 嗅神経、 内耳神経




運動神経しか持たない神経 は、 「眼球と、首と、舌と動かす神経」

動眼神経、滑車神経、外転神経(眼球運動)

副神経(首)

舌下神経(舌)




脳神経は、これに、

めいどが副交感(迷走神経、舌咽神経、動眼神経、顔面神経)

を覚えておけば、とりあえず良いのでは。

一つ一つの脳神経の作用はまた、あとで。



末梢神経をまとめると

自律神経のアリ.jpg

神経@.jpg


途中、脱線したが、これで、とりあえず神経の分類は終了じゃ。


さあ、つぎは、神経細胞について、考えよう。






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posted by わらじい at 20:28| Comment(0) | 末梢神経 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

排尿 & 排便マスター

さて、まずは、昨日の国家試験の解説をしよう。

排尿の表.jpg

排尿調整@.JPG


問13 誤っているのはどれか。(第40回)
1.随意的排尿には大脳皮質が関与する.
2.交感神経を刺激すると膀胱は収縮する.
3.膀胱体部からの求心性神経は骨盤神経である.
4.脊髄排尿中枢は第2〜4仙髄節にある.
5.外尿道括約筋は陰部神経の支配を受ける. 


【解答・解説】 
尿意を感じ、排尿するには“尿を出すぞ〜”という命令が大脳から来くる、すなわち、大脳皮質が関与するので 1.は〇

2. は、交感神経の刺激で膀胱排尿筋は弛緩するのでバツ1で、誤っているものを聞かれているので、これが正解。

尿が溜まって、膀胱壁が拡張すると、その知覚が骨盤神経を通り排尿中枢(S2-4)に届く。よって 3.は〇

脊髄排尿中枢は、第2〜4仙椎節にあり、外尿道括約筋は陰部神経の支配を受けるので、4.5.も〇

正解は2.



排尿については完璧じゃないか。

これで、おぬしも 排尿マスター だな。



では、折角なので 排便マスター にもなってみよう。


排便も排尿と似ているところがある。

まず、排便の中枢も排尿の中枢と同じ、第2〜4仙椎節にあるのじゃ。


排尿に関係する筋肉は3つあったが、排便に関する筋肉は2つじゃ。


内肛門括約筋 と 外肛門括約筋


この2つの筋肉は、ともに肛門を閉じる作用をもっている。 


内肛門括約筋は、副交感神経である骨盤内蔵神経に支配される平滑筋。

自律神経の副交感神経なので、不随意筋


外肛門括約筋は、体性神経である陰部神経に支配される横紋筋。

こちらは、体性神経なので、自分の意志でコントロールできる随意筋じゃ。


お尻をギュッと自分で締められると思うが、その時にしまっているのがこの外肛門括約筋だ。

排便反射@.jpg


排便@.jpg



普段、排便中枢は脳から抑制を受けているので ともに収縮して肛門は閉じている。


排便反射B.jpg


では、排便のときに、この二つの筋肉はどうなっているのだろうか?


排便は、直腸に便が降りてきて、直腸の壁を拡張させると始まる。

直腸の壁が、拡張した情報が、副交感神経の骨盤内蔵神経から、排便中枢に伝わる。

そして、その情報が大脳皮質に届いて“便意“となる。


    【便意を感じた図】
排便反射A.jpg

排便中枢に情報が伝わると、副交感神経が優位になり、内肛門括約筋を弛緩させる。

外肛門括約筋も弛緩する方向にいくのだが、 外肛門括約筋は、随意筋なので、我慢しなければならなければ、収縮させて便を我慢できる。

排便できる状況になれば、弛緩させて、晴れて排便になるのだ。


  【排便時の図】
排便反射C.jpg


これが、排便の機序。

わかったかな。

これで立派な、 排便マスター だな。



排便についても国家試験に出ているのでやってみよう。



 ★国家試験をやってみよう 

問14 排便で誤っているのはどれか。(第42回)
1.直後壁が便で伸展されると便意を生じる
2.食事の摂取が結腸の嬬動運動を誘発する.
3.排便反射では外肛門括約筋が収縮する.
4.排便には横隔膜が関与する. 
5.排便中枢は仙髄にある.       


問15 正しいのはどれか。(第45回)
1.排便反射の中枢は腰髄にある.
2.内肛門括約筋は陰部神経支配である.
3.外肛門括約筋は骨盤神経支配である.
4.排便時には直腸平滑筋が弛緩する.
5.排便時には内肛門括約筋が弛緩する.  


簡単かな.........






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posted by わらじい at 00:45| Comment(0) | 末梢神経 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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