2014年04月17日

伝わり方にも特徴がある。

まずは、昨日の復習じゃ。


末梢神経の体性神経は、有髄神経  。


自律神経の節前線維は 有髄神経、  節後線維無髄神経 。

末梢神経は、その神経の太さや伝導速度(有髄神経か無髄神経か)の違いで、ABC線維に分けられる。

節前線維と節後線維.jpg

神経線維の表.jpg



この表を見ながら、今年の国家試験に出題された問題を1問、解いてみよう。


★国家試験をやってみよう

問19 末梢神経について正しいのものどれか。(第48回)
1.A群は最も太い.
2.B群は無髄である.
3.C群は有髄である.
4.交感神経節前線維はC群である.
5.交感神経後線維はB群である.    


【解答・解説】 
神経線維の直径が太いものから順に、A,B,C線維に分けられる。

A線維は、一番太くて、伝導速度も一番早い神経線維じゃ。 1.は〇

AB群は有髄神経で、C群は無髄神経。 よって 2.3.ともバツ1

交感神経節前線維は、B線維、交感神経節後線維はC線維。  4.5.ともにバツ1じゃ。

正解は、1.




もう一度この表をよく見てみよう。

神経線維の表.jpg


ABC線維の中では、A線維が一番、太くて、伝導速度が一番、早い。

そしてC線維が一番細くて、伝導速度が一番、遅い。


神経の伝達速度は、 神経線維の直径が太いほど早い  ことがわかる。



神経の直径が太い場合の他に、神経興奮の伝導速度が速くなるのは........


温度が高いとき じゃ。


温度が高いと抵抗が小さくなって、伝導速度は早くなるからじゃ。


刺激の強さと、伝導速度は関係がない から注意が必要。


そのほか、有髄神経では、跳躍電動でもちろん早くなる。


伝導速度が速くなるのは、神経直径が太いとき  と  温度が高いとき だけと覚えていたらいいと思う。




そのほか、いくつか神経興奮が軸索を伝導するときの特徴がある。



◎興奮の電動は、  決して伝導中に減衰しない  (不減衰伝導)

スライド1.JPG



◎神経線維の途中で活動電位が発生すると、両方向へ伝えられる  (両方向伝導)

スライド3.JPG



◎神経線維が隣接しても、別の神経線維に伝わることはない  (絶縁性伝導)

スライド2.JPG



これらの  神経興奮が軸索を伝導するときの特徴は、非常に重要で、何度も国家試験に出題されている。


かならず覚えて欲しい。


それでは、いくつかやってみよう。



★国家試験をやってみよう
問20 神経線維の興奮伝導について誤っているのはどれか。(第39回)
1.髄鞘の電気抵抗は大きい.
2.伝導インパルスの大きさは刺激の大きさに比例する.
3.伝達速度は温度の影響を受ける.
4.活動電位の大きさは伝導中一定である.
5.有髄神経では跳躍伝導がみられる.  


問21 神経伝導で正しいはどれか。(第44回)
1.体温の低い方が速い.
2.髄鞘のない方が速い.
3.線維直径の太い方が速い.
4.線維が長いと活動電位は減衰する.
5.線維の途中を刺激すると刺激部位から片側性に伝導する.   


問22 1本の神経線維を電気刺激した場合の興奮電動の説明で誤っているのはどれか。(第47回)
1.興奮は両方向に伝わる.
2.興奮は太い神経ほど早く伝わる.
3.有髄神経では跳躍伝導が起こる.
4.興奮は隣接する別の線維に伝わる.
5.興奮の大きさは変わらずに伝わる.   


問23 正しいのはどれか.2つ選べ.(第43回)
1.末梢神経では中枢神経に比べ両側伝導が生じにくい.
2.末梢神経は伝導速度からA,B,C線維に分類される.
3.ランヴィエ絞輪部には絶縁作用がある.
4.神経伝導速度は神経線維外径が大きいほど速い.
5.神経伝導速度は温度が上昇すると遅くなる.




 まずまず、できるのではないか......












この講義が、多くの人に伝わりますように........
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posted by わらじい at 01:56| Comment(1) | 解剖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
分かり易かったです
Posted by at 2017年12月07日 16:16
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