2014年04月15日

神経細胞とは、なんじゃ?

久々、登場の わらじい じゃ。

今日からは、神経細胞 の話をしよう。


以前、“一つの名前の神経”で、運動、感覚、両方ともの機能を持つものもあることの話をした時に、「末梢神経の構造」について説明したのをおぼえているじゃろうか?

末梢神経の構造.jpg

末梢神経の断面.jpg

『末梢神経は、細い神経線維がいくつも束になっている。』

『白い一本に見える神経は実は、いくつもの神経線維のあつまったもの。』


こんな説明をしたと思う。



この時に、話をした、細い神経線維のことが、今日、話をする 神経細胞 のことじゃ。


いままでの話より、すこし小さい世界の話だと思って欲しい。




こんな図をみたことあるだろうか?


神経イラストH.jpg



そう、これは、神経細胞の図じゃ。

別名、ニューロンというやつじゃな。

神経線維というのはこの長く伸びたところじゃ。

ここが束になっていたんじゃな。




このニューロンにはそれぞれ名前がついている。

樹状突起  細胞体   軸索   軸索終末 

ブログのイラスト.jpg



樹状突起は、神経情報を周囲から突起を通して細胞体の方へ伝えるものじゃ。


スライド1.JPG



軸索は、神経情報を細胞体から末梢に伝えるもの。


神経細胞1つにつき、軸索は1つしかない。

スライド2.JPG



軸索の末端は幾重にも分岐して、軸索終末となっている。


軸索終末には、神経伝達物質と呼ばれる化学物質をいれた小胞があり、


電気的信号が軸索終末に達すると神経伝達物質が、軸索終末から放出されるようになっている。

スライド3.JPG


放出された神経伝達物質によって、また次の神経細胞などに情報が伝達されるのじゃ。





ここでのポイントは、長く伸びた軸索じゃ。


実は、この軸索の構造の違いで、神経細胞は、

  有髄神経無髄神経

に分けられている。

スライド4.JPG


構造の違いとは、なにか?

なんてことない、軸索に髄鞘があるかないかじゃ。


じゃあ、髄鞘とはなにか?


平たく言うと、髄鞘とは電気的絶縁体じゃな。




「絶縁体???」




すこしわかりづらいので、まず、この軸索に神経情報が伝わっていくことを想像してみてほしい。

スライド5.JPG


無髄線維の場合、神経線維の中を、トラックで進んでいくようなものだ。

軸索の中は電気抵抗が大きいので、伝達速度はあまり早くない


なんとか、もっとはやく伝えることはできないか?


そう、人間は考えた。


そこで、人間はトラックでは通れない絶縁体(髄鞘)を作ったのじゃ。


それにより、間を飛行機に乗っていくようになり、無髄神経より早く伝えることができるようになったのだ。

この飛び跳ねて伝わる伝導のことを、跳躍伝導 と言っている。

また、髄鞘以外の部分を、ランヴィエの絞輪 という。

スライド6.JPG



末梢神経と中枢神経で、この髄鞘を形成している細胞が違う。

末梢神経ではシュワン細胞とよばれるものが、

中枢神経では、神経膠細胞とよばれる細胞の中の 希突起膠細胞 (オリゴデンドロサイト)が、髄鞘を形成しているのじゃ。

ブログのイラスト.jpg

ブログのイラスト1.jpg




神経膠細胞とはなになのか?とか疑問も多いかと思うが、今日はとりあえず「そういうものがあるのか」とだけ思っていて欲しい。

詳細は後日。



今日の情報でも国家試験は解くことができる。


やってみよう。



★国家試験をやってみよう

問19  正しいのはどれか.2つ選べ。(第42回)
1.神経細胞の突起には樹状突起と軸索とがある.
2.神経伝達物質は軸索輸送によって神経終末に送られる.
3.ランヴィエの絞輸は電気的絶縁部分である.
4.有髄線維に比べて無髄線維は興奮伝導の速度が速い.
5.末梢神経の髄鞘は神経膠細胞が形成する.     













この講義が、多くの人に伝わりますように........
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posted by わらじい at 01:02| Comment(0) | 解剖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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