2014年04月02日

末梢神経は神経線維の集まりじゃ

今日は末梢神経のお話じゃ。

話したとおり、『中枢神経』は、『脳』と『脊髄』に分かれ、『末梢神経』は、『脳神経』と『脊髄神経』にわけられる。


本で勉強していると『末梢神経』は、
 『体性神経』と『自律神経』にわけられるとか、
 『運動神経』と『感覚神経』にわけられるとか、
 『交感神経』と『副交感神経』にわけられるとか
いろいろ書いてあることに遭遇するだろう。

いろいろな名前があって、それを見ただけで、何がなんだかわからなくなってしまう人もいるのではないかな。



混乱する原因として、

“分類法が沢山あるということ”

“一つの名前の神経でもいくつかの名称があること”  が考えられる。



まずは、落ち着いて考えてみよう。


末梢神経は、まず、その神経がどこから出ているかで大きく2つに分けられる。

これが、

『脳神経』と『脊髄神経』

いわゆる解剖学的な分類というものだ。



そして、その神経に意識が関連しているかどうかによって、2つにわけられる。(機能的分類)

これが、

『体性神経』と『自律神経』


『自律神経』は、自分の意思でコントロールできないので、「不随意神経」と呼ばれたりもする。


『脳神経』にも、『脊髄神経』にも『体性神経』と『自律神経』があるので、ここまでを分類するとこうなる。

神経分類.jpg





ここで、注意したいこととしては、

“ある一つの名前がついた神経”は、出る場所の違いで分ければかならず『脳神経』か『脊髄神経』に分類できるが、

『体性神経』か『自律神経』の必ずしもどちらかひとつだけだという訳ではない
ということだ。



例えば、「迷走神経」。

「迷走神経」は、脳から出る末梢神経なので、『脳神経』に分類される。

次に『体性神経』か、『自律神経』かということだが、

「迷走神経」は、喉頭筋を動かしたり、外耳道皮膚の感覚を支配しているので、『体性神経』である。

しかし、「迷走神経」は、その他に、胸部、腹部にも枝をのばし、自分の意思でコントロールできない心機能、気管支平滑筋収縮、消化管運動も支配している。

すなわち『自律神経』でもあるのである。

このように、”一つの名前の神経”でも、『体性神経』『自律神経』、両方の機能があるものもあるということを理解して欲しい。



また、『体性神経』は
 運動を司る『運動神経』 と
 感覚を司る『感覚神経』
 にわかれるのだが、同じように、“一つの名前の神経”で、運動、感覚、両方ともの機能を持つものもあるのだ。

「迷走神経」が、喉頭筋を動かしたり(運動)、外耳道皮膚の感覚(感覚)を支配しているたように。



それに反して、『脳神経』と『脊髄神経』は、神経の出る場所で分けているので、ひとつの神経が、『脳神経』であり、『脊髄神経』であることは決してない。

こんな感じじゃ。

神経分類A.jpg





では、なぜ、このようなことが起きるのか。

それを説明する前に、まず「末梢神経の構造」について説明しよう。

末梢神経は、細い神経線維がいくつも束になっているものだ。

白い一本に見える神経は実は、いくつもの神経線維のあつまりなのだ。

末梢神経の構造.jpg

末梢神経の断面.jpg





基本的に神経線維、一本、一本はひとつの働きしかもたない。

『運動神経』の神経線維は、運動にしか関わらないし、『感覚神経』に神経線維は感覚にしか関わらない。


「末梢神経」はそれぞれに働きを持った神経線維が、いくつもあつまっているもの。

そのため、一本の「末梢神経」で、『体性神経』と『自律神経』が、『体性神経』でも『運動神経』と『感覚神経』が混在していたりするのである。






そして、自律神経は、『交感神経』と『副交感神経』に分けられるのじゃが……….



★これだけ覚える
末梢神経は、いろいろな働きをもつ神経線維の集まり





この講義が、多くの人に伝わりますように........

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posted by わらじい at 11:24| Comment(0) | 末梢神経 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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