昨日、我々の中での先生である藁稭長者(わらしべちょうじゃ)様にお会いした。
さすが、素晴らしい方だった。
今日は、最後の脳神経、迷走神経について話をしよう。

迷走神経は、なぜ『迷走』神経というのだろうか?
実は、いろいろなところに迷走している から、迷走神経と呼ばれているのじゃ。
この神経は、脳だけではなく、迷走神経は、頸部、胸部、腹部といろいろなところに迷走している。
副交感神経系のイラストを見せたのを覚えておるか?

このイラストで、副交感神経系の脳幹から下に伸びていって、気管・肺、心臓、胃腸などへ行っている神経があるじゃろう。
これが、迷走神経じゃ。
どうじゃ、いろいろ迷走しているのがわかってもらえるか。
迷走神経反射 というものを聞いたことがあるだろうか。
迷走神経が刺激されて、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす生理的反応のことじゃ。
迷走神経が刺激されてなぜ、いろいろな臓器にさまざまなことが起きるのかがこれで納得するじゃろ。
さまざまな臓器に行っているので、迷走神経はいろいろな作用を持っている
その作用は、
咽頭、喉頭の運動、喉頭の感覚のほか、胸腹部内臓の感覚、運動、分泌調節など
しかも、頸部で左右の反回神経を出している。
その反回神経は、喉頭下部の粘膜、内喉頭筋に分布して声帯の動き をつかさどっているのじゃ。

この反回神経が麻痺すると嗄声(かすれ声)、誤嚥、呼吸困難を起こしてくるのじゃ。
進行食道癌の時に、反回神経を癌が巻き込むと嗄声(かすれ声)が出現するのをきいたことはないか?
話はかわるが、以前、
脳神経の12対のうち、副交感神経線維だけを含むものは、
めいどがん副交感(迷走、舌咽、動眼、顔面) といったな。
迷走神経も、副交感線維のみの神経じゃ。
なので、迷副交感神経である迷走神経が活発になると、胸腹部に、「日曜の午後の昼寝状態」のことが起きてくる。


迷走神経反射では、心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす理由がわかってもらえるか。
この『めいどがん副交感』は、結構役に立って、
例えば、脳神経のなかで、副交感神経の作用である、唾液の分泌や縮瞳が何神経で行われるかを忘れてしまったら
『めいどがん副交感』 を思い出せばよい。
縮瞳が、動眼神経で、
唾液の分泌が、舌咽神経、顔面神経 だとわかる。
いろいろな知識がつながるな。
楽しいじゃろ。
さあ、これで脳神経12対、全て終了じゃ。
国家試験を解いてみるか。
★国家試験をやってみよう
問61 誤っている組合せはどれか。(第39回)
1.動眼神経 眼瞼の挙上
2.顔面神経 顔面の感覚
3.三叉神経 咀 嚼
4.舌下神経 舌の運動
5.迷走神経 内臓の感覚
問62 脳神経と支配筋との組合せで誤っているのはどれか。(第40回)
1.動眼神経 上斜筋
2.三叉神経 咬 筋
3.顔面神経 広頚筋
4.舌下神経 縦舌筋
5.副神経 僧帽筋
問63 舌の機能と神経支配との組合せで誤っているのはどれか。(第41回)
1.運動 舌下神経
2.前2/3の体性感覚 三叉神経
3.後1/3の体性感覚 舌咽神経
4.前2/3の味覚 顔面神経
5.後1/3の味覚 迷走神経
問64 嚥下に関わる神経とその働きの組み合わせで正しいものはどれか。(第48回)
1.三叉神経 口唇閉鎖
2.顔面神経 下顎の運動
3.迷走神経 嚥下反射
4.舌咽神経 舌の運動
5.舌下神経 唾液の分泌
問65 顔面神経支配でないどれか。(第47回)
1.鼻 筋
2.前頭筋
3.眼輪筋
4.口輪筋
5.上眼瞼挙筋
この講義が、多くの人に伝わりますように........

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