暖かい日は、藁が乾くので、気持ちが良い。
早速、解答解説を行うとするか。
神経伝達物質の知識だけでなく、いままでの知識を全て使わなければ答えられないものもあるので、頑張って欲しい。
問32 骨格筋の収縮に関わる神経伝達物質はどれか。(第39回)
1.ガンマアミノ酪酸(GABA)
2.アドレナリン
3.アセチルコリン
4.セロトニン
5.ドーパミン
【解答・解説】
骨格筋の収縮を起こすのは、運動神経の働きじゃ。
神経筋結合部で働く神経伝達物質はなんじゃったか?
そう、 アセチルコリン じゃ。
正解 3.
問33 末梢神経で正しいのはどれか。(第45回)
1.節後性交感神経線維は有髄線維である.
2.大径の運動神経線維は無髄線維である.
3.無髄線維はSchwann細胞に覆われている.
4.有髄線維は直径が大きいほど伝導速度が遅い.
5.神経筋接合節にはノルアドレナリンが含まれている.
【解答・解説】
末梢神経の性質をしっかり分かっていないと解けない問題じゃ。
今までの知識をフルに使って答えて欲しい。
自律神経の節前神経は有髄神経で、節後神経は無髄神経。
1.は


末梢神経は、その神経の太さや伝導速度の違いなどで、ABC繊維に分けられておる。
大径の運動神経線維(A線維)は有髄線維なので、2.は


末梢神経の有髄神経では、シュワン細胞が髄鞘を形成しておる。

では、末梢神経の無髄神経はどうなっているか?
実は、髄鞘は形成していないが、シュワン細胞に覆われているような形となっている。
髄鞘が、ロールケーキにようになっているのに比べて、ただ取り囲んでいるような感じじゃな。
【無髄神経のイメージ】

よって、3.は〇
「3.無髄線維はSchwann細胞に覆われている.」
微妙じゃが、これが、「3.無髄線維はSchwann細胞で髄鞘を形成している.」であったら、

直径が大きいほど、伝導速度は早いので、 4.も

神経筋結合部で働く神経伝達物質は、アセチルコリンじゃ。 5.は

正解は 3.
問34 神経伝達物質とそれが働く部位との組合せで誤っているのはどれか。(第42回)
1.アセチルコリン 神経筋接合部
2.ガンマアミノ酪酸(GABA) 小脳歯状核
3.セロトニン 視床下部
4.ドーパミン 線条体
5.ノルアドレナリン 交感神経節
【解答・解説】
神経筋結合部で働く神経伝達物質は、アセチルコリンなので 1.は〇
2.3.はちょっと難しいので、とばし。
ドーパミンは、脳内(黒質→線条体)で働くので 4.は、〇
ノルアドレナリンは、交感神経の節後線維―器官で働く、交感神経節で働くのはアセチルコリン。
よって 5.が

2.3.4.がわからなくても、とりあえず正解は導ける。
正解は5.
問35 幻覚妄想症状に最も関係があると考えられている神経伝達物質はどれか。(第43回)
1.アセチルコリン
2.グルタミン酸
3.セロトニン
4.ドーパミン
5.ノルアドレナリン
【解答・解説】
ドパミンは不足で、パーキンソン病を起こすことが有名じゃが、過剰でも幻覚や、妄想を引き起こす。
正解は 4.のドーパミン。
問36 自律神経について正しいのはどれか。(第47回)
1.興奮は不随意である。
2.精神的因子は関与しない。
3.体性内臓反射の求心路である。
4.副交感神経の節後線維は交感神経に比べて長い。
5.交感神経節前線維の伝達物質はノルアドレナリンである。
【解答・解説】
この問題は、自律神経の性質を聞かれている。
これも今までの知識をフルに使って答えて欲しい。
復習。
自律神経は、末梢神経のうち、意識が関与しない神経で、交感神経と副交感神経にわかれる。
交感神経の興奮は、道でくまに会った時の反応、副交感神経の興奮は、昼寝をしている時の反応。
精神的因子は関与するが、興奮自体は自分でコントロールすることはできない。
よって、 1.が〇 で 2. は

体性-内臓反射とは、体で感じたことで内蔵に影響がでることじゃ。
夏の暑い日に、汗が出るような反射のことじゃな。
この時の、求心路(脳になって考えるんじゃ)は、体性神経じゃ。
なので、 3.は

交感神経と副交感神経の節前線維を比べると、交感神経の方がすぐに交感神経節があるので短い。
(自律神経は脊髄のすぐ脇に神経節が縦列する交感神経幹がある。)
よって、副交感神経の節後線維は交感神経に比べて短いので、 4.は

自律神経での神経伝達物質は、交感神経の節後線維―器官 のみノルアドレナリンで、その他はアセチルコリン。
交感神経節前線維の伝達物質はノルアドレナリンなので、5.は

正解は 1.
どうだったろうか?
いままでの知識を幅広く使わなければならなかったので、解きごたえがあったのではないか??
では、つぎは、神経伝達物質の異常で引き起こされる疾患について説明しよう。
おっと。
その前に、ちょっと面白い
ボツリヌス菌
について話をするかな...................
この講義が、多くの人に伝わりますように........
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