問24 女性に多いのはどれか。(第43回)
1.筋萎縮性側索硬化症
2.晩発性小脳皮質萎縮症
3.Alzheimer病
4.進行性角上性麻痺
5.Parkinson病
女性に発生の多い疾患で覚えるべきものは、
アルツハイマー病 、 多発性硬化症 、 重症筋無力症

正解は3.アルツハイマー病 。
では多発性硬化症の話に戻そう。
中枢神経の髄鞘(神経膠細胞)がわるくなってしまう(脱髄)のが、多発性硬化症。

多発性というからには、 多発 するのじゃ。
この 多発 には2つの意味があって、
1つは、時間的に多発する(時間的多発)ということ。
簡単に言うと、 良くなったり悪くなったり症状を繰り返す ということじゃ。
もう1つは、いろんな部分にできる (空間的多発) こと。
髄鞘が悪くなる(脱髄)が、中枢神経(脳脊髄)に多発に起こる。

そのため、いろいろな症状が起こってくる。
症状で重要なのは、
視力低下や かすみ目、複視や眼球運動障害 などの目の症状。
そのほか、錐体路障害、しびれ、排尿障害、うつ など。
(錐体路障害についてはまたあとで話す)
身体に痛みを
出すこともあって、首を前に倒すと背中が痛む (レルミット徴候) や
【レルミット徴候のイメージ】

痛みをともなうけいれん (有痛性強直性けいれん) も起こす。
【有痛性強直性けいれんのイメージ】

これらの症状は、入浴や運動などによって体温が上昇すると、増悪する。
熱のストレスで、脱髄をより進めてしまうからじゃ。
それくらい知っていいれば十分じゃ。
まとめると

国家試験を解いてみよう。
問25 多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ(第47回)
1. 男性に多い
2. 発症は50歳代に多い
3. 脱髄病変がみられる
4. 視力低下が出現する頻度が高い
5. 運動負荷に制限を設ける必要はない
問26 多発性硬化症について正しいのはどれか。(第44回)
1. 高齢者に多い
2. 脱髄が主病変である
3. 症状に日内変動がみられる
4. 初発症状として眼瞼下垂が多い
5. 脳神経では聴覚が傷害されやすい
問27 多発性硬化症について正しいのはどれか。(第42回)
1. 階段状に増悪する
2. 温熱によって症状が悪化する
3. 深部腱反射が消失する
4. 50,60歳代で好発する
5. 女性より男性に多く発症する
問28 多発性硬化症に特徴的な痛みはどれか。2つ選べ(第43回)
1. テタニー様痙攣に伴って生じる四肢の放散痛
2. 頭部前屈に伴って生じる背部下方への電撃痛
3. 食後に生じる胸背部鈍痛
4. 上肢と手指の発赤を伴った疼痛
歩行を困難にするしびれを伴う下肢の疼痛
多発性硬化症では、こんな感じで出題されるんじゃ。
この講義が、多くの人に伝わりますように........
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