2014年04月10日

「神経の分類」は今日で終了!

それでは、解答・解説していこう。

排便@.jpg


問14 排便で誤っているのはどれか。(第42回)
1.直後壁が便で伸展されると便意を生じる
2.食事の摂取が結腸の嬬動運動を誘発する.
3.排便反射では外肛門括約筋が収縮する.
4.排便には横隔膜が関与する. 
5.排便中枢は仙髄にある.       


【解答・解説】 
便が直腸に降りてきて、直腸壁が拡張し、その情報が、副交感神経の骨盤内蔵神経から、排便中枢に伝わる。

そして、それが大脳皮質に届いて“便意“となるので、1.は〇


食事の後に、おなかがグルグルいって、トイレに行きたくなった経験はないだろうか。

食後に食べ物が大腸に到達すると、蠕動運動が活発になって、便が直腸に移動してくることが原因だ。 2. も〇


排便反射では、内・外肛門括約筋が弛緩する。3.はバツ1。  これが正解。


排便時に腹に力を入れると思うが、物理的には、腹筋に力を入れたり、横隔膜を移動させて、腹腔内の圧力を高めている。 4.は〇

排便中枢は、仙髄(2-4)なので、5.も〇

正解は、3.



   【排便時の横隔膜、腹筋の動き】
横隔膜の動き@.jpg
横隔膜、腹筋に力をいれ、腹腔内圧を高める。骨盤底はその力を支えて排便を促す。



問15 正しいのはどれか。(第45回)
1.排便反射の中枢は腰髄にある.
2.内肛門括約筋は陰部神経支配である.
3.外肛門括約筋は骨盤神経支配である.
4.排便時には直腸平滑筋が弛緩する.
5.排便時には内肛門括約筋が弛緩する.  


【解答・解説】 

排便中枢は、仙髄(2-4)なので、1.はバツ1

内肛門括約筋の支配は、骨盤神経、外肛門括約筋の支配は、陰部神経だから、 2. 3. はそれぞれバツ1

排便時には、内・外肛門括約筋が弛緩するので、4.はバツ1で、 5.が〇

よって、

正解は、5.

 


おめでとう。これで排便マスターだ。


さて、つぎはなんの話をするかな。


そうそう、ちょっと話が、戻るが『体制神経』の話をしよう。


復習。


『体性神経』とは、末梢神経のうち意識が関連している神経。

また、運動を司る『運動神経』と感覚を司る『感覚神経』にわかれる。

末梢神経の分類B.jpg

以前、話したとおり、“一つの名前の神経”で、運動だけの機能を持つものも、感覚だけしか持たないものも、運動、感覚、両方ともの機能を持つものもある。


そこで見せたのが、この図。

脳神経のアリ.jpg

ここで、注目しと欲しいのは、脊髄神経の体性神経のところには、混合(感覚・運動)神経しか記載されていないこと。

そう、脊髄神経の体性神経は、すべて、感覚も運動も関連している神経なのじゃ!


それに対し、脳神経は、感覚しか関連しないものや、運動しか関連しないものや、感覚も運動も関連するもの(混合神経)の3つがある。

脳神経.JPG


覚え方としては、感覚に関するものしか持たない神経は、「見る、嗅ぐ、聞く」 の神経。

視神経、 嗅神経、 内耳神経




運動神経しか持たない神経 は、 「眼球と、首と、舌と動かす神経」

動眼神経、滑車神経、外転神経(眼球運動)

副神経(首)

舌下神経(舌)




脳神経は、これに、

めいどが副交感(迷走神経、舌咽神経、動眼神経、顔面神経)

を覚えておけば、とりあえず良いのでは。

一つ一つの脳神経の作用はまた、あとで。



末梢神経をまとめると

自律神経のアリ.jpg

神経@.jpg


途中、脱線したが、これで、とりあえず神経の分類は終了じゃ。


さあ、つぎは、神経細胞について、考えよう。






この講義が、多くの人に伝わりますように........
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posted by わらじい at 20:28| Comment(0) | 末梢神経 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

排尿 & 排便マスター

さて、まずは、昨日の国家試験の解説をしよう。

排尿の表.jpg

排尿調整@.JPG


問13 誤っているのはどれか。(第40回)
1.随意的排尿には大脳皮質が関与する.
2.交感神経を刺激すると膀胱は収縮する.
3.膀胱体部からの求心性神経は骨盤神経である.
4.脊髄排尿中枢は第2〜4仙髄節にある.
5.外尿道括約筋は陰部神経の支配を受ける. 


【解答・解説】 
尿意を感じ、排尿するには“尿を出すぞ〜”という命令が大脳から来くる、すなわち、大脳皮質が関与するので 1.は〇

2. は、交感神経の刺激で膀胱排尿筋は弛緩するのでバツ1で、誤っているものを聞かれているので、これが正解。

尿が溜まって、膀胱壁が拡張すると、その知覚が骨盤神経を通り排尿中枢(S2-4)に届く。よって 3.は〇

脊髄排尿中枢は、第2〜4仙椎節にあり、外尿道括約筋は陰部神経の支配を受けるので、4.5.も〇

正解は2.



排尿については完璧じゃないか。

これで、おぬしも 排尿マスター だな。



では、折角なので 排便マスター にもなってみよう。


排便も排尿と似ているところがある。

まず、排便の中枢も排尿の中枢と同じ、第2〜4仙椎節にあるのじゃ。


排尿に関係する筋肉は3つあったが、排便に関する筋肉は2つじゃ。


内肛門括約筋 と 外肛門括約筋


この2つの筋肉は、ともに肛門を閉じる作用をもっている。 


内肛門括約筋は、副交感神経である骨盤内蔵神経に支配される平滑筋。

自律神経の副交感神経なので、不随意筋


外肛門括約筋は、体性神経である陰部神経に支配される横紋筋。

こちらは、体性神経なので、自分の意志でコントロールできる随意筋じゃ。


お尻をギュッと自分で締められると思うが、その時にしまっているのがこの外肛門括約筋だ。

排便反射@.jpg


排便@.jpg



普段、排便中枢は脳から抑制を受けているので ともに収縮して肛門は閉じている。


排便反射B.jpg


では、排便のときに、この二つの筋肉はどうなっているのだろうか?


排便は、直腸に便が降りてきて、直腸の壁を拡張させると始まる。

直腸の壁が、拡張した情報が、副交感神経の骨盤内蔵神経から、排便中枢に伝わる。

そして、その情報が大脳皮質に届いて“便意“となる。


    【便意を感じた図】
排便反射A.jpg

排便中枢に情報が伝わると、副交感神経が優位になり、内肛門括約筋を弛緩させる。

外肛門括約筋も弛緩する方向にいくのだが、 外肛門括約筋は、随意筋なので、我慢しなければならなければ、収縮させて便を我慢できる。

排便できる状況になれば、弛緩させて、晴れて排便になるのだ。


  【排便時の図】
排便反射C.jpg


これが、排便の機序。

わかったかな。

これで立派な、 排便マスター だな。



排便についても国家試験に出ているのでやってみよう。



 ★国家試験をやってみよう 

問14 排便で誤っているのはどれか。(第42回)
1.直後壁が便で伸展されると便意を生じる
2.食事の摂取が結腸の嬬動運動を誘発する.
3.排便反射では外肛門括約筋が収縮する.
4.排便には横隔膜が関与する. 
5.排便中枢は仙髄にある.       


問15 正しいのはどれか。(第45回)
1.排便反射の中枢は腰髄にある.
2.内肛門括約筋は陰部神経支配である.
3.外肛門括約筋は骨盤神経支配である.
4.排便時には直腸平滑筋が弛緩する.
5.排便時には内肛門括約筋が弛緩する.  


簡単かな.........






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