復習じゃが、
蓄尿時には、交感神経が活躍し、膀胱排尿筋を弛緩させ、内膀胱括約筋(内尿道括約筋)を収縮させる。
そして、排尿時には、副交感神経が活躍し、膀胱排尿筋を収縮させ、内膀胱括約筋(内尿道括約筋)を弛緩させるのじゃ。

これを“筋肉”についてから考えてみよう。
排尿関係の筋肉には3つある。
膀胱排尿筋 と 内膀胱括約筋(内尿道括約筋) と 外尿道括約筋。
膀胱排尿筋は、膀胱の壁にある平滑筋で、交感神経活動で弛緩し、副交感神経活動で収縮する。
内膀胱括約筋(内尿道括約筋)は、膀胱から尿道が始まるところ(内尿道口)周囲にある平滑筋で、交感神経活動で収縮し、副交感神経活動で、弛緩する。
この2つの筋肉の動きに関与している
交感神経の名前が 『下腹神経』 、
副交感神経の名前が 『骨盤内蔵神経』 じゃ。
『下腹神経』は、下部胸髄〜腰髄(Th11-L2)から出ていて、『骨盤内蔵神経』は、もっと尾側の仙髄からでている(S2-4)。
この仙髄部分は、排尿の反射中枢でもあるんじゃ。
以前、交感神経は、真ん中で、副交感神経は頭と尾側から出ると言ってたな。
そうそう、この図。

この図の尾側のところが、膀胱のことを表しているんじゃな。
3つめの筋肉は外尿道括約筋だ。
外尿道括約筋は、内尿道括約筋より、より外側にあり、体性神経の 『陰部神経』 で調節されている。
この筋肉は、『陰部神経』の活動によって収縮し、活動が低下すると弛緩するんじゃ。
膀胱排尿筋と内尿道括約筋は、自律神経支配なので、自分の意思ではコントロールできない が、外尿道括約筋は、体性神経。
体性神経は、そう。
自分の意志でコントロールできるもの じゃな。
おしっこに行きたくなっても、我慢出来ると思うけれども、そのときに働いているのが、外尿道括約筋じゃ。
陰部神経の活動を高めて収縮させておしっこが漏れないようにしているんじゃな。
もし、陰部神経が調子悪いと大変なことになりそうじゃな。
まとめるとこんな感じじゃ。

この表は重要な情報で、これだけでも十分に、国家試験を解くことができる。
例えば、
問9 排尿で正しいのはどれか。(第46回)
1.膀胱は交感神経活動で収縮する.
2.排尿の反射中枢は腰髄にある.
3.内尿道括約筋は副交感神経活動で収縮する.
4.外尿道括約筋は随意制御できる.
5.外尿道括約筋は陰部神経活動によって弛緩する.
膀胱が収縮するのは、副交感神経活動なので1.は

排尿の反射中枢は仙髄(S2-4)じゃ。なので、2.も

内尿道括約筋が収縮するのは、交感神経活動なので、3.も

外尿道括約筋の支配は、陰部神経(体性神経)なので、随意制御可能じゃ。なのでこれが正解。
外尿道括約筋を支配する陰部神経の活動が高まっているときは、おしっこを我慢している時なので、収縮している、活動が低下すると弛緩して排尿することになるんじゃ。
我慢している時が、陰部神経の神経活動が高まっている時 と覚えておくことじゃな。
そのほか、こんな問題が出ているが、どうかな。
★国家試験をやってみよう
問10 正しいのはどれか。(第41回)
1.排尿は内膀胱括約筋が収縮することで生じる.
2.膀胱内圧が50cmH20に達すると初発尿意が生じる.
3.膀胱の容量は800〜1,000m/である.
4.排尿に関する交感神経はTh8〜Th10にある.
5.排尿に関する副交感神経はS2〜S4にある.
問11 外尿道括約筋を随意的に収縮させる神経はどれか。(第44回)
1. 腸骨下腹神経
2. 陰部大腿神経
3. 陰部神経
4. 下腹神経
5. 骨盤神経
つぎは、実際に尿が膀胱に溜まって、排尿するまでのメカニズムについて考えてみるとするか…………………….
この講義が、多くの人に伝わりますように........
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