話したとおり、『中枢神経』は、『脳』と『脊髄』に分かれ、『末梢神経』は、『脳神経』と『脊髄神経』にわけられる。
本で勉強していると『末梢神経』は、
『体性神経』と『自律神経』にわけられるとか、
『運動神経』と『感覚神経』にわけられるとか、
『交感神経』と『副交感神経』にわけられるとか
いろいろ書いてあることに遭遇するだろう。
いろいろな名前があって、それを見ただけで、何がなんだかわからなくなってしまう人もいるのではないかな。
混乱する原因として、
“分類法が沢山あるということ”
“一つの名前の神経でもいくつかの名称があること” が考えられる。
まずは、落ち着いて考えてみよう。
末梢神経は、まず、その神経がどこから出ているかで大きく2つに分けられる。
これが、
『脳神経』と『脊髄神経』
いわゆる解剖学的な分類というものだ。
そして、その神経に意識が関連しているかどうかによって、2つにわけられる。(機能的分類)
これが、
『体性神経』と『自律神経』
『自律神経』は、自分の意思でコントロールできないので、「不随意神経」と呼ばれたりもする。
『脳神経』にも、『脊髄神経』にも『体性神経』と『自律神経』があるので、ここまでを分類するとこうなる。

ここで、注意したいこととしては、
“ある一つの名前がついた神経”は、出る場所の違いで分ければかならず『脳神経』か『脊髄神経』に分類できるが、
『体性神経』か『自律神経』の必ずしもどちらかひとつだけだという訳ではない
ということだ。
例えば、「迷走神経」。
「迷走神経」は、脳から出る末梢神経なので、『脳神経』に分類される。
次に『体性神経』か、『自律神経』かということだが、
「迷走神経」は、喉頭筋を動かしたり、外耳道皮膚の感覚を支配しているので、『体性神経』である。
しかし、「迷走神経」は、その他に、胸部、腹部にも枝をのばし、自分の意思でコントロールできない心機能、気管支平滑筋収縮、消化管運動も支配している。
すなわち『自律神経』でもあるのである。
このように、”一つの名前の神経”でも、『体性神経』『自律神経』、両方の機能があるものもあるということを理解して欲しい。
また、『体性神経』は
運動を司る『運動神経』 と
感覚を司る『感覚神経』
にわかれるのだが、同じように、“一つの名前の神経”で、運動、感覚、両方ともの機能を持つものもあるのだ。
「迷走神経」が、喉頭筋を動かしたり(運動)、外耳道皮膚の感覚(感覚)を支配しているたように。
それに反して、『脳神経』と『脊髄神経』は、神経の出る場所で分けているので、ひとつの神経が、『脳神経』であり、『脊髄神経』であることは決してない。
こんな感じじゃ。

では、なぜ、このようなことが起きるのか。
それを説明する前に、まず「末梢神経の構造」について説明しよう。
末梢神経は、細い神経線維がいくつも束になっているものだ。
白い一本に見える神経は実は、いくつもの神経線維のあつまりなのだ。


基本的に神経線維、一本、一本はひとつの働きしかもたない。
『運動神経』の神経線維は、運動にしか関わらないし、『感覚神経』に神経線維は感覚にしか関わらない。
「末梢神経」はそれぞれに働きを持った神経線維が、いくつもあつまっているもの。
そのため、一本の「末梢神経」で、『体性神経』と『自律神経』が、『体性神経』でも『運動神経』と『感覚神経』が混在していたりするのである。
そして、自律神経は、『交感神経』と『副交感神経』に分けられるのじゃが……….
★これだけ覚える
末梢神経は、いろいろな働きをもつ神経線維の集まり
この講義が、多くの人に伝わりますように........

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